
皆さんこんにちは!
今回はエンジェル投資家を口説く方法について紹介したいと思います。
僕は以前、ベンチャー企業で働いていたときに、資金調達のために社長補佐として資金調達をしていました。
東京赤坂にある有名なホテルのラウンジでエンジェル投資家に事業プランを話し、投資家の反応をみながら話を進めていくのは緊張感があります。
エンジェル投資家と言えども相手は人ですから、どう攻略していいのかわかりませんよね。
数々の資金調達の中で大事なポイントを僕の個人的な見解からお話しようと思います。
エンジェル投資家って誰?
Wikipediaでは、エンジェル投資家またはエンジェルは、創業間もない企業に対し資金を供給する富裕な個人のことである。
投資の見返りとして株式や転換社債を受け取ることが一般的である。エンジェル同士でグループを形成し、情報の共有や共同出資を行う動きも見られる。
と記載されています。
ヨーロッパにおいてはビジネスエンジェルとも言われ、ベンチャー企業や創業者の強い味方になっているのです。
もともとはアメリカのハリウッドで事業を支援する個人支援家のことを「エンジェル」と呼んでいました。
そもそも創業間もない頃はベンチャー企業には結果もなければ信用もなく、銀行からの融資が降りないケースが多々あります。
そんな時にエンジェル投資家にお願いをして、投資してもらった金額で事業を成長させることが目的となるわけですね。
僕が携わった投資額は約3000万円程度。だいたい日本では500万円~2000万円がエンジェル投資家の目安と言われていますが、事業内容や関係性によっても変わります。
このエンジェル投資家たちも元起業家であることがほとんどです。
ビジネスにおいて非常に詳しく、厳しい目で評価されますことを理解しておきましょう。
一回話をしただけでGOサインが出ることはあまりなく、数十年前に流行った「マネーの虎」なんかはその代表的な例でしょう。
マネー成立する人とそうでない人の差をみていればどんな人たちに投資をするのかが見えてきますよね。
では次からは具体的にどうやってエンジェル投資家を口説くのかをみていきましょう。
エンジェル投資家を口説くためには大きなビジョンを持つこと
エンジェル投資家はロボットでもPCでもありません。
当たり前ですが人です。
そして自分の持っているお金をできるだけ有効に使いたいと考えています。
であれば、社会を変える仕組みのような大きなビジョンを持つことは非常に大切なポイントになるでしょう。
僕が携わったベンチャーは、日本の定年後の未来を明るくするための大型施設の紹介でした。
日本の時流に合っていること、問題を深く共感できること、そしてうまくいったときに世の中が変わる可能性があること。
これらのポイントは本当に大切な核となる部分です。
まずは計画を見せるというパターンもありますが、感情を持った人には人で勝負するしか方法はありません。
投資家も人も社会の役に立つものに参加して、たとえ投資が回収できなくても社会の発展のために社会貢献したと思えるような事業内容であればいいのです。
エンジェル投資家を口説くにはあなたが何者なのかを伝えること
エンジェル投資家を口説くために重要なことはあなたが何者でどんな個人のビジョンを持っているのかが大切になります。
例えば僕の場合、起業した社長の補佐として資金調達をしていた立場でありますが、相手からすれば社長の熱意は伝わるものの、社長補佐の熱意はそこまでないものとして見られました。
僕も投資家の立場になって考えればその通りだと納得する部分はあったので、こういう作戦に出ました。
普通に会っても話は聞いてもらえないので、まずは経歴とこれからの僕自身のビジョンを伝えることに。
更に、事業に対する熱意は社長よりも強いことを伝えるために誰よりも事業ビジョンに対する懸念点などを答えられるように対策しました。
ただし、現実的ではない話は相手も見抜きますから、その辺は現実的なポイントと予想不可能な理想を相手の表情をみながら話を進めていきます。
僕は5人のエンジェル投資家に会い、結果的に投資をしてくれることになった人からその時のことをお聞きすると、事業へのビジョンとあなたの強烈な熱意とこれまでの経験が合致していたから期待できた。
とおっしゃってくれました。
やはり最後は人に限ります。エンジェル投資家の中にはあえて批判しかしない人もいます。
あえてというのは批判されたくらいで諦めず、ブラッシュアップしたものを持ってくるくらいの覇気と気合がなければ成功しないと考えている人が多いからです。
割と体育会系の人は多い印象でしたね。
エンジェル投資家を口説くには綿密な事情計画とリスクを用意する
エンジェル投資家には人として信用されるだけでなく、事業内容についても納得、理解を頂かなければいけません。
ここでリスクも十分に伝えることを忘れないようにしてください。
夢だけ語ってあとはそのままだと投資してもらえるわけがありませんからね。
ここでみられるポイントを確認しておきましょう。
1.何を売るか?
・コアは何か?:どういうユーザ効用(virgin/replacement)
・ビジネスモデルは?:収益拡大化への指針
・時代性は?時流に合っているものなのか?は大切な指標となるでしょう。
2.キャピタルゲインはどれくらいなのか?
キャピタルゲインとは株式や債券など、保有している資産を売却することによって得られる売買差益のことです。
3.その事業にはいくら必要なのか?
・FCFが何年後に黒字になるのか?
・一括でファイナンスに応じてもらえるかもしくは、事業の進捗フェーズ成功ごとに分割コール・ファイナンスとなるのか。
・シンジケートを組むのか?
そして、その結論に至った考え方を聞き、その考え方へのベースとなったデータが客観的なものかを確認するという流れになります。
特にこれから起業する上で、誰もやったことのないビジネスモデルに対しては投資家も頭を抱えます。
まだ前提に近いビジネスモデルであれば、ある程度の予想を立てることができますが、そうでないケースにおいては想像の範疇と予想でしか検討できません。
投資家のリスクは投資したお金を回収できず終わること。元本保証されているならいいですがそんな甘くはないです。
これは事業家にとって最も避けたい部分ですよね。
計画との乖離をなるべくなくすために事業家自身も最大の努力をするという姿勢が重要です。
僕の場合、新しいモデルだったので事業計画を入念にチェックし考え尽くしました。
社長が気づいていない部分までカバーできるようにしたものの、スタートから1年は全く計画通りいかず、会社は大赤字。
人間で言えば大量出血中ですね。
こういう時に社長の真価を問われるわけで、どんな対応をするのか?戦略、戦法をどう変えていくのかまで投資家はみています。
あくまで計画は計画に過ぎず、イレギュラーなことは沢山起こります。
想定外を何回も何回も経験してこそ世に価値のあるビジネスが登場するのです。
おまけ
実は近年、残念ながらエンジェル投資家を名乗って詐欺を働く人も存在します。
特にサイトを通じて投資家を探すマッチングサイトにおいては注意が必要で、サイトによっては管理がずさんなところも存在します。
もしあなたがエンジェル投資家をマッチングサイトで探そうと考えている場合は、サイトの信用性や口コミ、投資家の情報を把握しておきましょう。
信用できる人の紹介でエンジェル投資家に会う分にはいいですが、人間同士ですから相性もあると思います。
経営にも口を出すことも考えられますから十分に考えたうえで取捨選択をしていきましょう。